生き写し/Dead Ringers
(黒でない)クリーチャー2体の色の組み合わせが完全に一致している場合のみ、それらを破壊する除去。複数体破壊する効果の中では、マナ・コストが高めながら色拘束が緩く、条件さえ合えばアーティファクト・クリーチャーでも破壊できる点が強み。
リミテッドでは貴重なクリーチャー除去であり、2対1交換でアドバンテージを取れる有用なカードである。ただ、インベイジョン・ブロックは多色が多い環境なので肝心なときに完全に色が一致しないこともあり、かつインベイジョン・ブロックに多く存在する「色を変更する効果」でかわされてしまう点には注意。
- ルール文章が非常にわかりにくい(そのうえ注釈文も存在していない)ことで有名で、論理的に正しいものが直感的に理解しやすいとは限らない絶好のサンプル。これは日本語版特有の問題ではなく、元の英語版自体の分かりにくさによるところが大きい。
- Dead Ringerは英語のイディオムで『完全な複製』ほどの意。2体は文字通り死ぬほど似ているのだ。
ルール解説
[編集]一番理解しにくいであろう以下の節を順を追って解説する。
まず、対象の一方をA、もう一方をBと表記する。議論を進めやすくするため、黒でないクリーチャーしか対象にとれない制約はいったん無視する。ここで、鍵括弧の内部を以下のように分解する。
鍵括弧の内部前半の「AがBのものでない色である」の条件について検討する。以下、A,Bが持つ色の集合を便宜上Colors(A)、 Colors(B)と表記する。(例えば、Aが白単色であればColors(A)={白}、Bが白青であればColors(B)={白,青}である。)
「AがBのものでない色である」とは、「Colors(B)に含まれない色がColors(A)に含まれる」と言い換えることができる。
Colors(B)について、Colors(A)に含まれている色(仮にMとする)が1つでも含まれていなければ、「Colors(B)に含まれない色」にMが含まれるので、前半の条件を満たす。逆に、Colors(B)にColors(A)に含まれない色が含まれていても、「Colors(B)に含まれない色」が減るだけなので、前半の条件の成否には影響しない。以上から前半の条件を満たさないケースは、Colors(B)がColors(A)の色をすべて含む、すなわちColors(A)がColors(B)の部分集合である場合に限られる。逆に言うと、前半の条件を満たすには、「Colors(A)がColors(B)の部分集合でない」でなければならない。
後半の条件を満たすには、AとBを入れ替えた同様の議論により「Colors(B)がColors(A)の部分集合でない」と言える。
以上の結果をもとのテキストに展開する。
数式の展開の要領(ド・モルガンの法則)で鍵括弧を外す。
以上より、全体の条件を満たすには Colors(A)=Colors(B)、つまり対象とした2体の色の組み合わせが完全に一致していなければならないことが示された。
- 日本語版の印刷されたルール文章は以下の通りであるが、これは誤訳である。このテキストでは両者の色がまったく一致しないなら破壊することになり、実際と逆の意味になってしまうのでエラッタが出ている。
- 対象となったクリーチャーが両方無色だった場合、破壊される。なぜなら、それらは色を持たないので「その一方が他方のものでない"色"である」ことはありえないためである。
- 一方の対象が不正な対象になった場合、不正な対象の情報が参照できず「その一方が他方のものでない色である」かの判定ができないため、適正な対象のクリーチャーも破壊されない。
参考
[編集]- Make No Mistake(Making Magic 2003年11月10日) - その16
- M:tGやっちまった小咄集(個人サイト「Braingeyser」、上の記事の和訳)
- マジックのデザイン・AからZ その1(Making Magic 2022年7月12日 Mark Rosewater著)
- カード個別評価:アポカリプス - コモン
- カード個別評価:Mystery Booster 2 - コモン(白枠)